ソフトウェアエンジニアに転職してよかったこと

働き方・キャリア

私はおよそ5年前にソフトウェアエンジニアに転職しました。前職ではプログラミングをすることもなく、業界も職種も異なる転職で色々と苦労しましたが、結果的には転職してよかったと思っています。今回はこれからソフトウェアエンジニアへの就職や転職を目指している方に向けて、そんな自分の経験をまとめてお伝えできればと思います。

転職しようと思ったきっかけ

新卒で入ったのは通信系の会社で、基幹システムの運用エンジニアやいわゆるSEとして働いていました。会社の通信事業に関わる大規模なシステムを動かし、会社の事業に貢献できている実感は少しですがありました。一方でそれらのシステムを開発しているのはいわゆる日系ITの大手メーカーで、自分たちはそのユーザーという立場でした。新卒のときからメーカーの担当者さん相手に偉そうに発注したり交渉したりする必要があり、だんだんとこれでいいのかと思い始めました。技術者やエンジニアとしてシステムを作る側の実務経験を積むべきではないのか、と思うようになったのです。当時もエンジニアと名乗ってはいましたが、技術を使って役に立つものを作り出せている実感がなかったのです。

今思えば、それらのシステムを使って通信サービスを届けているということにもっと誇りを持ってよかった気もしますが、当時の自分にはそれがあまりピンときていませんでした。もっと自分の手を動かして泥臭い作業をしてシステムを作り上げていくような作業こそエンジニアの真の姿なんじゃないかと思っていたのです。

また他の理由として、社外で通用するようなスキルが身に付かないと感じました。同じような通信業界であれば通用するスキルはありましたが、割と特殊な技術職であったので、就職というより就社というイメージでした。社外に放り出されれば食べていけるようなスキルや知識はあまりなかったのです。一般知識ではないので勉強しようにも社内の資料などを参照しないと身に付かないことばかりでしたし、一生その会社に食らいつくのであれば困らないかもしれませんが、それ以外の可能性を考えたときに不安を感じました。

このような時代ですから、フリーランスとまでは言わなくても、業界や会社などに関わらず通用する専門的なスキルを身に付けたいと思うようになったのです。

ソフトウェアエンジニアになった理由

転職を決意したとき、業界や職種に強いこだわりはありませんでした。ただ、前職のようにシステム運用やSEではなく、自分で手を動かしてプロダクトを作る開発者をイメージしました。大学院で情報工学やコンピュータサイエンスを学んでいた経験もあったので、その技術や知識を生かした道に戻ろうと決意しました。

正直プログラミングもそこまで得意ではなかったので新卒のときはIT業界でソフトウェアエンジニアとして働くことは考えませんでした。ただ、前職を通して抱いたやりたいことのイメージとソフトウェアエンジニアが重なってきたので、改めてその道を意識するようになりました。既に30台前半だったので、何のスキルもない職業よりは学生時代の経験を生かせるというのもありました。

このようにして少し遠回りしたのですが、結果として学生時代の分野に戻るようにしてソフトウェアエンジニアへ転職することを決めました。前職では実務でプログラムを書いたり実際の開発作業をすることはなかったのできちんと転職できるのか不安でしたが、学生時代の経験や前職でのSE業務などとうまく絡めて説明することで、志望したWeb企業に無事に転職することができました。

転職して大変だったこと&よかったこと

学生時代にプログラムは書いていましたが、実務としては未経験の職種に近かったので正直大変なことはたくさんありました。

学生や趣味では自分の好きなプログラミング言語で書いていればよかったですが、実務ではそうはいきません。速度が求められるシステムではJavaで書いたり、バックエンドの部分はPythonで書いたり、DBとのやりとりは当然SQLで書いたりと、複数の言語を読んだり書いたりできることは必須です。
また、人が書いたコードを読んだり逆に自分が書いたコードをレビューしてもらったりといった機会がほとんどなかったのですが、業務ではこういったことが当たり前になります。既存のシステムをチームで開発・運用していく必要があるので、メンバー間でのレビューは大事なプロセスになります。
また、自分たちが作るシステムには必ずユーザーがいるので、そのユーザーと仕様や設計を擦り合わせるといった作業が必要になります。自分のためだけではなく、業務として誰かのために作るものなので、開発者とユーザーで認識を合わせる必要があります。

ざっと挙げるだけでも転職当初は新しい経験が多く大変なこともありましたが、半年ほど経つと自然と慣れていきました。またそれくらい経つと、転職してよかったなと感じることもいくつかありました。具体的な内容を以下にまとめます。

汎用的なスキルを身に付けられる

前職では通信業界の技術職という割と特殊な業務をしていました。ニッチなスペシャリストと言えば聞こえはいいですが、業界を離れても使えるようなポータブルスキルがどれくらいあるかというと疑問でした。それと比べて今の業務だとプログラミング、システム設計、データサイエンス、コンサルなど、どこの業界に行っても使えるようなスキルを幅広く身に付けられている実感があります。

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専門分野を決められた

前職も技術職ではあったのですが、ハードウェアだったりソフトウェアだったり、設計だったり運用だったりと業務範疇が広く、専門分野と言えるものは正直ありませんでした。今の仕事でも決めきれてはいないですが、少なくともソフトウェアエンジニアという広い枠の世界では生きていく覚悟ができました。進む道がある程度でも決められると今後やることが具体的に見えてきたり、キャリアを考えられるようにもなりました。

どこでもやれる自信がついた

業界も職種も異なる転職だったので、転職直後はキャッチアップや勉強が大変だったのは確かです。それでも学生時代や前職の経験で生かせることが少しはありましたし、少しずつでも毎日できることを着実に増やしていくと1年も経てばある程度のレベルで業務ができるようにはなりました。思い返しても今の1年間と最初の1年間では最初の方がスキルの吸収量はずっと多かったと思います。今後も異動やあるいはまた転職を経験することがあるかもしれませんが、最初の転職でどうにかやっていけたので今後も大丈夫だ、という強い自信を持つことができました

まとめ

今回ご紹介したのはあくまで私のケースに過ぎません。また安易な転職をすすめているわけでもありません。ただ今の会社や環境に違和感を感じていたり、他にやってみたいことがある方は転職を考えると別の世界が見えてくるかもしれません。今の時代は様々な業界や職種の情報が手に入りますし、挑戦もしやすくなっていることは間違いありません。今の環境で我慢し続けるよりは自分に合った環境に移ってしまった方が幸せに働ける可能性があります。是非よく考えてみてください。それが自分と同じソフトウェアエンジニアの世界であれば嬉しい限りです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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