ソフトウェアエンジニアのキャリアプラン

働き方・キャリア

自分が35歳を超えたり子供ができたりということもあって、ソフトウェアエンジニアとしての今後のキャリアについて考える機会が増えてきました。そこで主に会社員エンジニアとして一般的にどういったキャリアが考えられるかをまとめてみました。自分のような自社開発かあるいは受託開発かなどの環境で異なる部分もありますが、ここでは大きく2つの道に分けて説明します。

技術を追求する

スペシャリスト

エンジニアとして特定の技術のスペシャリストになる道です。35歳や40歳といった年齢の壁は関係なく、プログラミングなど自分で手も動かして業務を進めていくことになります。チームの中で言えば、「この技術領域についてはこの人に聞けばわかる」という存在になる必要があります。以前は年齢を重ねればマネジメント側に回るのが一般的でしたが、最近ではより技術を突き詰めたスペシャリストとしてベテランになる道も出てきました。領域としてはデータベース、ネットワーク、インフラ、セキュリティ、機械学習など様々なものがあります。

フルスタックエンジニア

スペシャリストが狭く深くだとすれば、フルスタックエンジニアは広く浅くのイメージです。特定の技術領域についてはスペシャリストほどの知識や経験はないけれど、一通りの領域については自分で設計や実装ができるレベルにあります。ある程度色んなことをやってみたい、というタイプの人が向いています。
自分はこの記事の中で言うと現在このフルスタックエンジニアになると思っています。企画側と要件定義・相談もすれば、システム側の設計、インフラの構築、バックエンド実装など言ってしまえば何でも屋です。様々な領域を広く学べるのは非常によいことですが、キャリアの最終地点になるイメージではないかもしれません。例えマネジメント側に回ったとしても、いつでもフルスタックで開発できるような技術者でありたいものですね。

マネジメントする

システムエンジニア(SE)

いわゆる上流工程を担当するシステムエンジニアです。自分で手を動かすエンジニア(プログラマー)というより、それらの管理や設計、要件定義なども担当することになります。そのため上記の技術者よりはコミュニケーションスキルも求められます。SIerなどではプログラマーを経ずにSEからスタートすることも多いようですが、コードレベルでの思想や設計ができる人の方が当然優秀なSEになれるはずです。GAFAなど自社開発系でそのようなことは少ないと思われますが、日本ではそういった環境もまだまだ多いようですね。

コンサルタント

こちらも主に受託開発系になりますが、SEよりさらに上流で顧客との折衝や相談を行います。コミュニケーション頻度もより高くなります。顧客と技術者との間で難しい立場にあるので責任は大きいですが、システムを納入して顧客が喜ぶ顔を直接見られる立場でもあるので、やりがいを感じられることも多いです。

プロジェクト/プロダクトマネージャ(PM)

開発プロジェクト全体の管理者です。技術側だけで構成されている場合は技術側の人間が担当しますが、企画側も含めた大きなプロジェクトの場合は企画側の人間が担当することもあります。フルスタックエンジニアのように技術全体のことを把握した上で工程や予算、メンバーの管理を行なう大きな責任を背負います。まさにプロジェクト成功の鍵を握っている存在です。
実際いくつかのプロジェクトを見てきても、判断力に優れたPMの元だとエンジニアも動きやすく、プロジェクトも確実に進むのでやりがいも上がっていきます。一方で勉強不足のPMだったりするとプロジェクトが目に見えて停滞し、エンジニアのモチベーションも微妙になってしまい、時間をかけただけで結局頓挫してしまうプロジェクトもざらに存在します。

ライン管理職

チームのリーダーや部長といったラインの管理職になります。PMもマネージャですがあくまでプロジェクト単位ではあるので、PMもこのライン管理職の下で業務にあたるイメージになります。技術側からより一歩引いた立場から開発やプロジェクト全体を眺め、PM業務をより汎化させた業務や、メンバーの育成、評価や給与の査定などを行ないます。PMもそうですが人数枠は限られているので、適性や組織のタイミングによってもなれるかどうかが左右されます。一度管理職になると別部署の管理職に横滑りで異動したり、転職の際にも大きなアドバンテージになります。技術ど真ん中ではないけれど、管理・マネジメントもスキルの大きな要因になるということですね。

その他

エンジニア担当人事

技術の部署から離れてエンジニアを採用するポジションです。技術を追求したり、直接システムを構築したりするのとはまた違ったやりがいを見出すこともできます。実際に優秀なエンジニアだったけど、ふと採用担当などをやっていくうちに現場に合った人材を別の立場からマネジメントする業務が面白く、そのまま人事担当になった方の話なども聞きます。エンジニアとして働きながら採用面接に顔を出すこともあったりするので、そういう機会を通して人事業務を知るのはいい機会になりそうですね。

フリーランス

ここまでは基本的に会社員エンジニアを想定していますが、会社の中で体系的に知識や経験を積み上げた後にフリーランスとして案件を受注して働く道もあります。時間や場所の制約からかなり自由になることができるメリットがある一方、継続して受注できるか、企業との交渉の難しさなどのデメリットも当然あるので、よく検討した上でこの道を検討しましょう。

起業

フリーランス以上に最初ハードルを感じるのが起業です。起業と聞くといきなりそんなことができるかイメージが湧かないこともありますが、寛容なIT企業だと従業員として働く一方で社員が起業するサポートをしてくれるところも存在します。まずは副業として自分のビジネスを立ち上げてみるところから始めることもできますし、会社員として働きながら細々と自分の事業を立ち上げ、業務を徐々にシフトしていくようなやり方ができる仕組みもできてきているので、一昔前よりはハードルも下がってきているようです。

まとめ

今回はソフトウェアエンジニアのキャリアについてまとめました。職種としては新しい方だったり、能力的に見ても若い人が多いイメージがありますが、40代、50代とこの先まだまだ働きたいと思っている人は多いはずです。そうしたときに今のようなエンジニアのままではなく、その先のキャリアにどういった可能性があるのか、どういった道をイメージしておくかによって今現在の働き方にも影響してきます。是非今回のまとめを幸せなエンジニア人生を送る上での参考にしてください。

参考文献

ITの仕事に就いたら最低限知っておきたい最新の常識

IT業界全体の現況を広く浅く知ることができます。受託開発と自社開発に分けてキャリアプラン例も載せてあるので、自分の現在の立ち位置や今後のキャリアの参考にもなります。また機械学習やブロックチェーン、DXなど新しめのIT用語にも触れています。

SOFT SKILLS

ソフトウェアエンジニアのキャリアやマーケティング、さらには給与交渉や健康など、エンジニアとしての人生の歩み方について指南してくれている本です。著者は海外の方ですが、日本人が体現できないような方法などは特にありません。会社などで技術を学ぶ機会は多いですが、それ以外の部分でこれだけ学びがある本は貴重だと思います。続編でもある「CAREER SKILLS」は積読状態なので、こちらは読み次第記事で触れたいと思います。

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